paperback

寝るのが大好きな男による、自転車、文化の諸々時評

スポンサーサイト [スポンサー広告]

--.--.-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消せます。

▲ Pagetop

岡崎京子の怪物作が 映画化されるけど…… [漁漫日記]

2012.03.14 Wed 06:50

 過日、岡崎京子の『へルタースケルター』映画化を発表する記者会見が華々しく開かれた。
 主演のりりこ役は沢尻エリカ。なんともビミョーな配役だが、脇を固める共演者たちは豪華な顔ぶればかり。今年夏に公開される邦画の中でも、特に大きな注目を集めるのではないだろうか。
 監督はかねてより岡崎作品のファンであることを公言してきた蜷川実花。現在、岡崎作品の初映像化に挑むという大役に臨んでいる真っ最中のことだろう。
 ぼくは邦画ビジネスのことは門外漢だから、怖いものなしで私見を述べる。本作品はドイツ語版やフランス語版も刊行されるほどグローバルな作品であるのだから、映画化は海外からのオファーを待ってからでも遅くなかったのではないか? 作品の根底に、通奏低音のように鳴り響く不穏な予感。それをデヴィッド・リンチへのオマージュと気づく読者は多い。リンチに作品を読ませ、もし彼が映画化を引き受けるならば、それは『ヘルタースケルター』という作品にとって「幸福な結婚」と言えるだろう。
 そう書くぼくの卓上には、いま『東京おとなクラブ』2号が置いてある。80年代初頭に発刊された伝説のミニコミに、岡崎はデビュー前の短編を寄稿している。筆致は弱々しく、商業誌の荒波に飲まれたら粉々になってしまいそうに華奢だ。しかし、彼女はサバイブし続けながら、時代とダンスを踊り、漫画と文学との境界をドライブした。ぼくは常に、彼女の源からあふれる「泉」に触れたいと探求を続けている。
 もし散々な評価を下される映画になったならば、絶対に許さないからな!

Trackback[0] Comment[0] ▲ Pagetop

岡崎京子の仕事集 [漁漫日記]

2012.02.10 Fri 19:23

 手塚治虫氏の逝去は、出張先の秋田で知った。
 僕は『宝島』の編集者として、デビュー間もない土田世紀を取材に行ったときだ。彼を待つ駅前の電光掲示板で、巨匠の死を知ったのだった。そして土田世紀の運転するシャコタン車に乗り込み、田んぼで撮影して、手塚先生が.......と言ったらすごく驚いてて、急に無口になったから、彼もまた巨匠の息子(孫か)だな、と。
 土田世紀の取材記事を、誰よりも楽しみにしてくれたのが川勝正幸さんだった。その頃、押切伸一さんと岡崎京子先生と「流行の素」という連載を持っていただいていたのだ。後に単行本になって、80年代のバブル期を活写する時事評論だった。川勝さんとの第一コラボである。あ、その前に、小林よしのりの漫画「忠牛ばっふぁろう」の企画ページで、川勝+押切ペアに大伴昌司ばりの解剖グラビアを作っていただいたのが最初かな。
 で、宝島の連載やるっていうので、スコラから流行の素を引っ張ってきて、そこに京子先生がくっついてきた。あれがすべてのはじまりだった。言ってみれば、川勝さんがいなけば僕は岡崎京子と知りあうことなく、平々凡々とした編集者人生を歩んできたことだろう。ほんと川勝さんには感謝しなければならなかった。その後の無数の共作、勉強になりました。ありがとうございました。
 川勝さんの遺志を受けて、ぼくは決心の発表を。この夏に刊行がほぼ決定、岡崎京子の仕事をまとめたブックガイドを編著しています。中身はほぼできてます。あとは版元が頑張ってくれれば、映画『ヘルタースケルター』公開前に間に合ってくれるはず。3年放置プレイを喰らいました。ようやく形になります!
 岡崎京子の仕事集では、私の書くビブリオグラフィー、イラスト仕事、対談仕事、エッセイ仕事、デビュー前のレア原画ほか、博識な彼女がもつ才能をぎゅぎゅっと凝縮。岡崎作品のルーツがわかる構成です! この夏、一般書店にて発売! ( `・∀・´)ノヨロシク

Trackback[0] Comment[2] ▲ Pagetop

輪行モノまである 同人誌の奥深き世界 [漁漫日記]

2012.01.24 Tue 23:35

 みなさん「輪行」という言葉を知っているだろうか。自転車を解体して電車に乗り、目的地で自転車を組み立てて旅乗りすることをそう呼ぶ。今月紹介する拝御礼は、コンパクトな小径車で各地を輪行する旅を描く。しかも活動の場が同人誌。最近、サイクリストの間で話題になっている『ロングライダース』という同人誌を買いに新宿のコミックZINに行ったとき、横に並んで置いてあった『孤独の輪行』を手にしてその存在を知った。
 これが面白い。茨城県ひたちなか市那珂湊を走っているとき、偶然出会ったパン屋の絶品あんぱん。山梨県北杜市武川の山を走っているとき、これまた偶然出会った隠れ家的カフェ。そうした〝旅とグルメ〟の自転車版をノンフィクションタッチで描く。つまり谷口ジロー『孤独のグルメ』のパロディともなっているのである。
 あとがきで、これまでのシリーズに触れていたからコミックZINの通販サイトを覗いてみた。しかし、すべて売り切れ。そこで巻末に記されたアドレスに「貸してください」旨をメールすると、なんとご近所に在住することがわかりお会いさせてもらった。聞けばサラリーマンで、自転車と漫画を休日の趣味にしているそうだ。
 これまで避けてきたが、同人誌の世界は奥深い。二次元モノやゲームが主流だけど、鉄道や廃墟などのマニアも商業誌に負けないぐらい……いや、それ以上に特殊な同人誌を作り出している。自転車モノもまだ他にもあるようで「これから忙しくなるぞ!」と一人盛り上がっている最中だ。

http://shop.comiczin.jp/products/detail.php?product_id=7367

追記:……と『宝島』に書いたのが昨年5月のこと。拝御さんは取材のとき、次は「保険のことについて書きたい」と語っていたが、年末『輪行本特別編-自転車と保険の緊密な関係-』が出てた。まだ読んでないが、自転車乗りと保険。なんとも興味深いテーマなのでチェック。

http://shop.comiczin.jp/products/detail.php?product_id=11230

追記の追記:あっ昨日、コミックZINで「道の駅」専門誌見たw

Trackback[0] Comment[0] ▲ Pagetop

自転車と萌えが合体 同人誌から一般誌へ [漁漫日記]

2012.01.24 Tue 23:08

 以前、本欄で谷口ジロー的グルメと自転車の旅をミックスした同人誌漫画を扱ったことがあるが、今回は自転車と〝萌え〟を融合した同人誌漫画を紹介しよう。その名も『南鎌倉高校女子自転車部』である。
 いま、スポーツサイクルは大流行といってよい状況だ。20万円ほどのエントリーモデルが飛ぶように売れているという。メタボ解消には自転車が効果的と煽るメディアも多く、高めの年齢層がこのジャンルに浸食してきているようである。加えて、震災時の帰宅難民体験者が自転車通勤を始める傾向にあり、お手頃なシティサイクルや折りたたみ式自転車の売り上げは前年比2倍という話もある。
 こうした気運に自転車雑誌も初心者向けの特集を組んだり、一般誌が増刊号として自転車ムックを刊行したりする現在だが、必ずしも売れてホクホクという感じではない。ブームの陰で廃刊する専門誌はあるし、クルマ雑誌と似たような〝新車インプレ〟に毒された老舗雑誌は苦戦と聞く。
 しかし、同人誌の世界で自転車は優良コンテンツ。『南鎌倉~』の他、ロングライドに焦点をあてた『ロングライダース』など、ニーズに応える増刷りが間に合わず品切れを起こす事態だというのだから驚きだ。その勢いは同人誌の域を超え、一般漫画誌で連載を開始するまでになった。それが『南鎌倉~』だ。自転車と〝萌え〟がなぜそこまで人気を呼ぶのか? 早い話、可愛い娘がスパルタンな自転車に乗っている絵がセクシーなわけで……わかりやすいですなー。でも可愛いーw


南鎌倉高校女子自転車部 Bicycle Review book VOL01南鎌倉高校女子自転車部 Bicycle Review book VOL01
(2010/12/31)
松本 規之

商品詳細を見る



南鎌倉高校女子自転車部 1 (BLADE COMICS)南鎌倉高校女子自転車部 1 (BLADE COMICS)
(2012/01/10)
松本 規之

商品詳細を見る

Trackback[0] Comment[0] ▲ Pagetop

あなたはいかにして 子ども回路を再生? [漁漫日記]

2012.01.24 Tue 23:00

子ども。子どもはいいね、無邪気で毎日が楽しそうで。うちは子どもを作らない約束で結婚したから最近周囲のベビーブームと関係ない所帯だが、たまに友人宅に遊びに行くとイイ!
 子どもと対面するとき、こちらも子どものレベルまで引き落とさないと相手にしてくれない。なかなかコミュニケーションが難しい。しかしコミュニケーションが一旦結ばれると、そこには強力な友情が芽生える。
 子どもと遊ぶのは楽しい。忘れていた脳の神経回路の一部が機能を取り戻したかのようだ。たぶん、自分が子どもの頃は始終、頭の中にあった「子ども回路」が働いていた。そんな「子ども回路」が蘇る気分だ。時間は意味をなくし、世界は常に新鮮。食欲と睡眠欲に忠実だったこども時代……
 なんで、そんな大事なものを失くしてしまったのか。「こども回路」は誰にも等しく備わっていたのに、ほとんどの人はそれを手放してしまう。いやだね、歳はとりたくない。子ども時間に子どもごはん、子ども風呂に子ども布団はどこ行った? 多くの人は自分が子どもを作ることで、その「子ども回路」を取り戻すのだろうか?
 今回紹介する『ちょこらん』は、子どもがいなくとも「子ども回路」が蘇る作品だ。主人公は、たかはしたかし小学1年生の男の子。歳相応に自我が生まれて扱いも面倒だが、彼を取り巻く世界は無限の「子ども回路」に満ちあふれている。同級生あやちゃん、おばあちゃん、班長……しばらくこの世界に逃亡し、子どもワールドを満喫したいと思う面々もいい。


ちょこらん 1 (IKKI COMIX)ちょこらん 1 (IKKI COMIX)
(2009/10/30)
にしがき ひろゆき

商品詳細を見る

Trackback[0] Comment[0] ▲ Pagetop

Skin:Babyish
FC2ブログ